下記のご提案があり、回答しています。(平成24年7月)
「ひとつ、ご提案なのですが、私の知人に、美大出身者や、幼児教育の専門家が何人かいます。彼らに協力してもらい、オリジナルの紙芝居を制作してお贈りするプランを考えてみたのですが、いかがでしょうか?」
 もちろん、大歓迎です。ただし、聖母愛児園に贈っていただくことは「もったいない」状態です。 それは、折角、心を込めて制作した作品が、聖母愛児園に眠ってしまうからです。
 それで、ご提案を更に発展させて、
 ①オリジナルの紙芝居を制作
 ②聖母愛児園の子どもたちに演じる
 ③子どもたちの反応を見る
 ④内容や絵を再検討する
 ⑤修正後の作品で聖母愛児園の子どもたちに演じる(再チャレンジ)
 このような流れで、作品の完成度を上げていくと言うのはどうでしょう。
 作品が完成したら、保育園を中心に紙芝居ボランティアを数多く行うことによって、作品が、より多くの子どもたちの心に繋がることになると思います。
 以上の提案は、聖母愛児園の子どもたちが作品完成のプロセスの一部として利用されているとの視点もありますが、何よりも、生まれ出た作品の最初の目撃者になれると言う特典は、素晴らしい贈り物だと思います。
紙芝居
サイズ…B4版より、一寸大きめのサイズです。
 構図としては、B4サイズでまとめ、紙芝居サイズに背景を延長する手法が良いのでは。そうすることによって、簡単にB4サイズでPDF化でき、将来的に電子版として配付可能となります。
枚数 …12枚、14枚、16枚のいずれかが適当でしょう。偶数の方が何となく構成上良いような感じです。17枚以上になると、語り手もしんどいし、聞き手も集中力が欠けてくる傾向にあります。
時間 …1作品、15分間が限界です。従いまして、棒読みすれば、5分間程度でおわる程度の文字量が適当です。読み手にもよりますが、演じる「間」や、台詞の追加、場面解説等で、5分の内容が15分になってしまうからです。
絵  …大体、5~6mの範囲で子どもたちを集めて演じます。つまり、6m離れた場所から認識できる絵であることが大切です。つまり、近づかないと認識できないような細かな描写は、上演には向かないかも知れません。
内容 …現存する紙芝居は、古い作品が多く、現代社会で違和感のある内容が多いです。例えば、「ジャックとまめのき」でジャックが牛を売りに行くなどです。現代社会における常識、倫理観を組み込んでいくほうが、聞き手が理解しやすいと察します。 登場人物の人数は、多いと読み手が大変です。ある程度絞り込んだほうが良いです。
*読み手は登場人物によって、声色や節回しを変化させたりするため、人数が多いと対応できません。
その他…付記として、場面解説や人物解説があると演じやすい。台詞に強弱記号や感情表現指示がルビ打ちしてあると演じやすい。読み手は、作者の代弁者であり、作者が伝えたいことを伝えることは役目でもあるでしょうね。
「美大に進学したり、幼児教育を専門に学ぶ人の中には、絵本作家や、児童文学作家を志す人が多いのです。」
 紙芝居は、商業的には、狭い市場になりますが、少ない文章と絵に作品を凝縮させる技法であり絵本や児童文学の進化形とも言えます。
 つまり、紙芝居制作は、作家を志す人にとっては、とても良い修行の場になると思います。
 また、自分たちの作品を自分たちで演じることによって、子どもたちの反応を直に感じることができると言う利点があります。
「彼らの夢と、子どもたちの夢をつなぐことができます。」
 こんな素敵なプロジェクトは、ぜひ、実現していただきたいと応援いたします。
 全国的には、紙芝居ボランティアとして、実際に活動されている団体や個人も居られると思います。
 そういう意味では、後発のスタートとなりますが、とても意義ある活動と思いますので、頑張っていただきたいと思います。