被災者とともに ボランティア活動本格化

くまにちコム  2016年04月21日

避難所のスタッフと避難者の昼食を準備する災害ボランティア=21日午後1時20分ごろ、益城町の広安愛児園(高見伸)
熊本地震で家屋倒壊が発生した益城町で21日、ボランティアの受け入れが始まった。土砂崩れに見舞われた南阿蘇村でも活動が本格化。ただ、余震や大雨による二次災害を警戒して被災家屋の片付けは手付かずで、西原村など受け入れ態勢が整わない自治体もある。
益城町社会福祉協議会は、同町安永の井関熊本製造所グラウンドにボランティアセンターを開設。午前9時の受け付け開始前に、県内外の約100人が列を作った。
参加者は活動の注意点について説明を受けた後、数人~十数人のグループに分かれて車に乗り込み、それぞれ避難所へ。同町古閑の児童養護施設「広安愛児園」では、男女12人が配給を手伝ったり、女性用更衣室を設置したりした。
東日本大震災でもボランティア活動に参加したという横山克哉さん(28)=宮崎県都城市=は「福島の経験を少しでも役立てたい。被災者の方が少しでも快適に過ごせるようになればいい」。
南阿蘇村社協は、20日に同村久石の久木野総合福祉センターにボランティアセンターを設置。21日は初日を上回る約60人が、支援物資の仕分けや配布などに汗を流した。里浩士センター長(55)は「安全が確認でき次第、一刻でも早く家屋の片付けにも取り組みたい」と話した。
合志市社協は、市民と市内に勤める人を対象に、1人暮らしの高齢者や障害者らの生活復旧を手助けする「要援護者支援ボランティア」の募集を始めた。県社協も「県災害ボランティアセンター」を設け、市町村社協の活動情報を提供している。
一方、家屋倒壊などで5人の死者を出した西原村は「まだ受け入れる余裕はないが、数日中には呼び掛けを始めたい」としている。(熊本地震取材班)

メモ
益城町のセンターTEL096(289)6090、096(289)6092▽南阿蘇村同TEL0967(67)2511、0967(67)2512▽合志市社協・要援護者支援専用TEL090(8348)2699▽県社協TEL096(342)8266。

益城町にボランティアセンター開設

くまにちコム  2016年04月21日

益城町社会福祉協議会は21日、同町安永の井関熊本製造所グラウンドにボランティアセンターを開設し、午前9時からボランティアの受け付けを始めた。開始と同時に県内外から駆け付けた約100人が長い列をつくった。
参加者は活動の注意について説明を受けた後、グループに分かれて車に乗り込み、各地の避難所へ。炊き出し支援や物資の配送、ごみ処理や清掃などに当たる。
地元の益城町から参加した坂本奈々瀬さん(19)と坂本真優さん(19)=ともに学生=は、「古里のために少しでも役に立ちたい」と話した。ボランティアは、左腕部分に張ったピンクの名札が目印。受け入れ期間は未定。

きょうからボランティア受け入れ 益城町社協

くまにちコム  2016年04月21日

益城町社会福祉協議会は21日、同町安永の井関熊本製造所グラウンドにボランティアセンターを開設し、災害ボランティアの受け入れを始める。
参加者は同センターに午前9時集合。水や食料、宿泊場所は参加者が自ら確保する。支援物資の仕分けや町が指定する避難所への運搬を担当。二次被害の恐れがあるため、当面は被災家屋の片付けはしない。受け入れ期間は未定。
町に問い合わせが相次いでいた。同社協は「人命救助の緊急車両や災害支援車両の通行を妨げないようにしてほしい」と注意を呼び掛けている。ホームページで詳細を確認できる。同センターTEL096(289)6090。(高宗亮輔)

子どもの変化「電話で相談して」 県内3児相

くまにちコム  2016年04月21日

県中央児童相談所など県内3カ所にある児童相談所は、地震や長引く避難生活の影響で、精神的に不安定になっている子どもを抱えた保護者からの電話相談に応じる。児童心理司など専門家がいる時間は限られるが、時間外は職員が電話を受け付ける。
県子ども家庭福祉課によると、心理的な傷を負った子どもたちには、食欲不振や腹痛、おねしょなどの身体的変化が表れる。大人と離れたがらなくなったり、驚きやすくなったりする心理的変化や、落ち着きがなくなって学習能力が低下するなどの行動変化も見られるという。
多くは自然な反応で短期間で収まるが、同課は「不安な保護者は気軽に相談してほしい」と話している。(太路秀紀)
相談所の電話番号、専門家がいる時間帯は次の通り。
県中央児童相談所TEL096(381)4451=月~金曜8時半~20時▽県八代児童相談所TEL0965(33)3247=同▽熊本市児童相談所TEL096(366)8181=月~金曜8時半~17時

アレルギーの子ども救え 「対応食」配布

くまにちコム  2016年04月21日

食物アレルギーがある被災者の子どもを支援しようと、国立病院機構熊本医療センター(熊本市中央区二の丸)は、アレルギーに対応した食料品を無料で配布している。小児科医によると、体調が弱っている場合は、アレルギー症状が強くなりやすいという。NPOも22日、同区の慶徳小で配布する。
同センターは1階の総合受付横に、「食物アレルギー支援物資コーナー」を設置。小麦粉や卵、牛乳などを使わない米粉パンやライスクッキー、レトルトカレー、離乳食など約20種類を、アレルギーのある子どもたちに無料配布している。受け取りは午前8時から午後8時。物資は、日本小児アレルギー学会を通じて届いたという。
小麦アレルギーの1歳男児の母親(38)=東区=は「アレルギー対応の離乳食がなく、困っていた。水が出ないので調理も難しい。県外で探そうと思っていただけに、ありがたい」と話していた。
同センターの緒方美佳医師によると、牛乳1杯まで飲んでも大丈夫だった子どもが、体調が弱ると、半分の量でアレルギーが出たりするという。「避難所で配られるパンなどが食べられない子どももいる。避難所ごとにアレルギーの子どもを把握し、対応した食料品を届けてほしい」と強調する。
一方、NPO法人「フリー・ザ・チルドレン・ジャパン」(東京)など関東圏の団体・企業は、アレルギー物質を含まない食品など10トントラック1台分を熊本に送った。
支援物資は、卵を使わない天然酵母パンやアレルギー物質を除いた調味料とベビーフード、無農薬栽培の野菜など。ブルーシートや衛生用品もある。慶徳小では午前9時から、食物アレルギーのある子どもに優先配布。アレルギーに対応した食材を使った炊き出しも検討している。
駐車場がないため、「フリー・ザ・チルドレン・ジャパン熊本」の津田美矩さん(28)は、コインパーキングなどの利用を呼び掛けている。(森本修代、楠本佳奈子)

<地震関連>熊本地震による停電解消

くまにちコム  2016年04月20日

九州電力は20日夜、地震の影響による停電が午後7時10分に解消し、全世帯への送電が復旧したと発表した。

都市ガス、一部で再開 熊本市、安全確認後順次

くまにちコム  2016年04月20日

西部ガスは20日、熊本地震で停止している都市ガスの供給を熊本市の一部で再開した。今後、安全を確認できた地域ごとに、供給を順次再開する。
同社は16日未明の「本震」の後、熊本市全域と益城町など周辺6市町で約10万5千戸の供給を停止した。その後、復旧作業を進めていたが、安全確認のために必要な各戸のガスメーターの栓を閉める作業が完了、供給再開に踏み切った。
ガスの開栓には、利用者の立ち会いで屋内設備の点検が必要。この日は作業員が熊本市南区と中央区の約6700戸を1軒ずつ訪問し、設備に破損などがない場合はガスメーターの栓を開けた。
点検には東京ガスなど大手3社も加わり、最大3200人超の態勢で取り組む。作業を進める地区の順番は未定で、「全戸復旧の見通しは立っていない」という。
自宅にガスが戻った中央区萩原町の元会社員笹本晴茂さん(68)は「断水が解消されれば風呂にも入れる。ありがたい」と話した。(宮崎達也)

水の復旧、見通し立たず 漏水被害多く難航

くまにちコム  2016年04月21日

熊本地震が14日夜に発生してから21日で1週間となるが、県内の断水は、市町村が把握しているだけで約9万8千戸に上る。復旧作業は、送水管からの漏水など施設被害の数が多く難航。断水がいつ終わるのか、関係者も見通せない状態だ。
県の災害対策本部によると、20日午後3時現在で、断水または計画断水しているのは、熊本、玉名、菊池、大津、菊陽、阿蘇、産山、高森、南阿蘇、西原、御船、益城、甲佐、山都、宇土、宇城、上天草の17市町村。
このうち熊本市は、通常通り給水されているのが約1万戸、断水が約4万2千戸。残り約26万8千戸は「試験通水中」としている。ただ、市上下水道局には、試験通水中の地域から「水が来ない」という苦情が絶えない。
通水しても家庭に届かない理由は、地中を通る配水管の破損などがある。既に1千件以上の漏水情報が寄せられ、市内29の水道工事会社や県外自治体の応援職員らがフル稼働で対応している。
住宅など建物の管や貯水タンクが破損している可能性もあるが、その場合は建物の所有者や管理者がそれぞれ修理を頼むしかないという。
配水池の水が急激に減らないよう、通常より弱い圧力で水を供給しているのも届きにくい理由だ。20日正午現在、市内13配水池のうち、正常な圧力で供給しているのは2カ所にとどまっている。
結局、試験通水しても各家庭に水が届いているかどうかは「把握できない」(市上下水道局)状態で、実際の断水はさらに多いとみられる。
熊本市以外の被災地にも同様の事情がある。甚大な被害が出た益城町では、水源の濁りは解消してきたが、約1万戸が断水。西原村では村営簡易水道を利用する約1200戸に水が送れていない。
家屋被害が少なかった宇城市でも、配水管の破損で漏水が発生。配水池の水の減少を抑えるため、約1万1千戸で夜間の計画断水を実施している。合志、小国、南小国、美里の4市町では、濁りなどのため飲用に適さない状態。原因ははっきりしないが、水道施設に土砂が入り込んだ可能性があるという。
断水はピークだった17日の約40万戸からは大幅に減ったが、完全復旧のゴールは見えない。政府現地対策本部の松本文明内閣府副大臣は「水は生活の要だ」と現場にハッパをかける。だが、熊本市東区で復旧工事をしていた水道工事会社の担当者(41)は「漏水をふさぐと、また別の場所で漏れが見つかる。いたちごっこ」と疲労感をにじませた。(高橋俊啓、蔵原博康)

災害ごみ分別して 集積所持ち込みで呼び掛け

くまにちコム  2016年04月21日

熊本地震の被害が集中した益城町や南阿蘇村など23市町村で20日現在、災害廃棄物を受け入れる仮設の集積所が設けられている。県や市町村は「生ごみを混ぜると異臭の原因になる」などとして、持ち込む廃棄物の分別を呼び掛けている。
受け入れ対象は、主に木くずやコンクリートがら、畳、マットレスなど。通常は専門業者への回収依頼が必要な廃家電を受け入れる自治体もある。
益城町が集積所にしている旧益城中央小跡地では、「可燃」「不燃」「瓦やブロック」の3分別。生ごみや農薬などの危険物を分けるよう呼び掛けている。ただ、分別を手伝う職員の数が足りず、生ごみなどが一緒に捨てられるケースが後を絶たないという。
熊本市は、ごみステーションで災害廃棄物を回収。可燃と不燃の2分別だが、「生ごみなど災害とは別の廃棄物は、いつもの有料回収の袋で出してほしい」と分別に協力を求めている。
(並松昭光)

被災地の給油所「在庫は十分」 石油連盟会長、熊本地震で

共同通信 2016年4月21日

石油元売りでつくる石油連盟の木村康会長(JXホールディングス会長)は21日の記者会見で、熊本県などで相次ぐ地震で一時、被災地の給油所に休業の動きが広がったことについて「道路の寸断で配送遅れの影響が出たが、現在、石油製品の在庫は十分にある」と述べた。
石油連盟によると、熊本県内の給油所436カ所のうち、20日時点で425カ所が営業中。木村会長は、ガソリンの供給問題は「ほぼ解消している」との認識を示した。
石油元売り各社は16日に、経済産業省の勧告を受けて製油所の在庫情報を共有したり、給油所への配送で協力したりすることを確認した。木村会長は「製油所や油槽所、タンクローリーに被害が無かったことで、対応をスムーズに進められた」と指摘した。
JXホールディングスの会長としては「製品在庫の積み増しやタンクローリーの現地へのシフトを指示した」と述べ、「東日本大震災の経験が役立った」と説明した。