明日ママ」全社がCM自粛 日テレ社長、放映は続行

朝日新聞デジタル 2014年1月28日

児童養護施設を舞台にした日本テレビの連続ドラマ「明日、ママがいない」が関連団体などから抗議を受けている問題で、日清食品や花王、小林製薬などが27日までにCM自粛を決定、番組のスポンサー全8社がCMの放映を見合わせることがわかった。
小林製薬幹部は27日夜、「顧客から提供の是非を考えるべきだという意見が多く寄せられ、今夜、(見合わせを)判断した」と語った。
一方、日テレの大久保好男社長はこの日夕方の記者会見で、相次ぐ抗議などについて「事態を重く受け止めている」と述べた。ただ、抗議などを理由に予定している脚本や演出を変更したり、ドラマを途中で打ち切ったりすることはないことも明らかにした。
大久保社長は「抗議は重く受け止めるが、それは必ずしもストーリーを変えることとイコールではない。最後まで見ていただければきちんと理解してもらえると思うし、私もそう現場に指示している」と述べ、全9話を予定通り放送する方針を示した。同席した制作責任者は「子どもたちが困難に立ち向かいながら自分たちの力で幸せや愛情をつかんでいく姿を描いていきたい。3、4、5話と見ていただければ支持者が増えていくのではないかと期待している」と話した。

明日ママ上層部が裏で「指令」か

東スポWeb 2014年1月26日

「明日ママ」起死回生策の“反論VTR”制作へ

関係団体などからの抗議が収まらない日本テレビ系ドラマ「明日、ママがいない」の番組スポンサー2社が新たにCM放送を見合わせ、計5社が“撤退”したことが24日、判明した。期待した視聴率も下降し、いよいよ崖っ縁に追い込まれている。それでも芸能界からは「最後までやるべき」といった声も少なからず聞かれる。こんな“声援”を背に、日テレが起死回生の一手を模索しだしたという。それは、抗議に対する“反論VTR”の制作だ。
騒動発生当初、日テレは「倫理問題を含め、総合的な観点で放送前に社内で議論した。最後まで放送を見てほしい」とコメントするなど、「局内にそこまで深刻に捉えているムードはなかった」と日テレ関係者。
実際、同ドラマへの抗議を“過剰反応”とみる向きもある。24日午前1時から放送されたラジオ番組「ナインティナインのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)の冒頭、MCの岡村隆史(43)は「最後まで見て判断したらいいんとちゃう?」と指摘。続けざまに「これで放送中止の前例を作ったら『気に食わなかったら抗議したったらエエねん』って輩(やから)おるからな。何もでけへんようになる。テレビの未来はもうない」と、放送中止を望む視聴者を“モンスター視聴者”とばかりに批判した。
岡村だけではない。某芸能プロの幹部は「スタッフも役者も、みんな一生懸命に撮影に臨んでいる。中でも、大人顔負けの演技を連発する愛菜ちゃんは『芦田プロ』とも呼ばれている。彼女たちのためにもこのドラマは続けるべき」と話す。芦田愛菜(9)を筆頭に出演する子役たちに罪はないのも事実だ。
しかし、24日には新たに日清食品と富士重工業の2社がCMを見合わせることを決定。これで、スポンサー8社のうち計5社がCM放送を見合わせるという深刻な事態に。日テレ側も「放送を最後まで見て!」というスタンスではもういられなくなった。ただ、このまま全面降伏するのはまだ早いと考えているようで、抗議に対抗するため、局上層部は現場に対し、水面下である秘密指令を出したという。
「ウチは今回のドラマと関係なく、過去に報道番組や情報番組で幾度となく児童養護施設を取材し、ドキュメンタリー番組などを放送してきました。上層部は報道番組などの現場に対し、『過去3~4年前までさかのぼって、児童養護施設を好意的に取材したVTRを上にあげろ』という指示を出したのです」(冒頭の日テレ関係者)
日テレ上層部は、過去に取材した児童養護施設のVTRを、一体何のために使うつもりなのか? 別の日テレ関係者はこう指摘する。
「上から使用目的を教えられたわけではないのですが、現場レベルでは『恐らく取材不足という批判をかわすために使うのではないか』と言われています。取材をまとめたVTRでも作り、抗議している関係団体やスポンサー筋などに見せ、『日テレは昔からこれだけちゃんと取材している』と“反論”したいのでしょう」
今回の騒動で日テレが一貫して批判されているのは、親が育てられない子供を匿名で受け入れる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を設置している慈恵病院や、児童養護施設への取材不足ということだ。
ドラマ関係者が「もともとこの枠では、松嶋菜々子主演のドラマを放送する予定だったが“ドタキャン”され、『明日、ママ』を急きょ放送することになった。脚本家の元にオファーが届いたのも去年の10月も終わりの方というから、準備不足・取材不足と言われても仕方ない状況」と証言するように、この点に関して強く出られないのも事実だ。
そこで少しでも批判や反発を和らげるために“反論VTR”制作という話がささやかれているのだが…。
まだまだ騒動は拡大しそうだ。

「『明日ママ』は放送中止すべき?」ノースポンサードの『5時に夢中!』視聴者投票で議論紛糾!

日刊サイゾー 2014年1月24日

スポンサー企業8社のうち、3社がCMを自粛するという非常事態に追い込まれている芦田愛菜主演ドラマ『明日、ママがいない』(日本テレビ系)。23日放送の情報番組『5時に夢中!』(TOKYO MX)では、生放送中に「『明日、ママがいない』は放送中止すべき?」という視聴者投票を行った。
結果は、「放送中止すべき」が4,458ポイント、「放送継続すべき」が6,925ポイント。視聴者からは、「過激とか、過激じゃないとかは人それぞれ。最近はそういったことに気を取られ過ぎて、ロクに面白くもないドラマばかりだった。放送中止になってしまうのは悔しい」「たとえフィクションとはいえ、今、日本に一つしかない施設を、悪い意味で取り上げる必要はなかったと思う。“ポスト”(主人公のあだ名)のことがなければ、フィクションとして考えさせられるいい作品になったのでは?」「現在、養護施設で働いています。できたらもっとフィクションっぽくするか、現実に近いものにするかにしてほしい」「はっと気づかされる点もあり、子どもたちも愛らしく、不幸な子どもを作ってはいけないと感じた。ただ、実在する団体を思わせる作り方は、傷つく人も存在する。十分に配慮していただきたい」といった声が寄せられた。
レギュラー出演者の新潮社・出版部部長の中瀬ゆかりは、この騒動について「こんなんで放送中止になるなんて、とんでもない」と憤り、「そもそもこんなのおかしな話で、フィクションとか、小説でもそうですけども、ある現実がベースになっても、それをデフォルメしたりするのは一つの常套手段としてあるわけですよ。だってこれ、ドラマでしょ? フィクションなわけじゃないですか。それに誰かが傷つくとか文句をつけること自体、表現の自由をすごく侵害してる。例えば『オリバー・ツイスト』(孤児が主人公の有名小説)とか読んで、『これは孤児に対してひどいこと書いてる』って言うのかって。そういう残酷な面も含めての物語なんですから」とコメント。
また、作家の岩井志麻子も、「こんないいドラマがなくなるのは惜しい」「100人が100人賛同する番組は作れない」とし、「まず単純に“面白い”っていうのがあるじゃないですか。これは“面白がり”だけじゃなくて、興味をかき立てられ、考えさせられ、『ああ、このような世界があるんだ』と知らされ、いろんなことを思わせてもらえるドラマ」と評価。さらに『5時に夢中!』(木曜)がノースポンサードであることを挙げ、「愛菜ちゃん、ここにも(スポンサーは)ないんだよ!」と笑顔でエールを送った。
同番組以外でも、24日放送のラジオ番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)では、岡村隆史が「(テレビ番組では)なんにもできへんようになる。また(視聴者が)ちょっと気に食わないと、また(番組が)中止になって、ニュースになって。そんなのばっかり」「テレビは終わった」などと発言。また、“はるかぜちゃん”ことタレントの春名風花も、Twitterで「完全にドラマの解釈を間違えている『観る力不足』による誤解です」と厳しく反論し、話題となった。
しかし、著名人たちが次々と擁護発言をする一方で、世論は依然として真っ二つ。22日には、赤ちゃんポストを設置している慈恵病院が、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会に審議を求める申立書を送付。BPOはどんな判断を下すのだろうか?