日テレ「明日ママ」内容変更へ “具体例抗議”に「改善を検討」
スポニチアネックス 2014年1月30日
日本テレビの連続ドラマ「明日、ママがいない」(水曜後10・00)の内容改善を求めていた全国児童養護施設協議会は30日、同局が番組内容を変更する方針であることを明らかにした。
ドラマの影響が及んだ子どもたちの具体例を含んだ抗議書が前日29日に送られたことを受け、日本テレビの佐野譲顕制作局長らが東京都千代田区の同協議会を訪問。「申し入れを真摯に受け止め、改善を検討したい」と説明した。2月4日までに、具体的な変更点を提示するという。
佐野制作局長は27日に行われた定例記者会見で「最終話までストーリーは完成している」と、脚本や演出の大幅な変更は予定していないと明言。「子どもたちの視点から愛情とは何かを描きたい」と、あらためて作品のテーマを説明していただけに、変更点が注目される。
子どもたちをペット扱いにするなど、舞台となった児童養護施設の描写をめぐり、同協議会は今月20日、同局に抗議書を送付。しかし第2話(22日放送)でも改善が見られなかったとし、前日29日、新たな抗議書を送った。
抗議書には、同協議会が全国の役員67人に「ドラマがもとで生じた問題」などについて調査したアンケート結果を添付。子どもたちが実際に苦しんでいる事例として「第2話の放送が近づくと女子児童が“死にたい”と繰り返した。放送終了後、自傷行為に及び、病院で治療を受けた」などの声を紹介した。
27日に行われた定例記者会見で、大久保好男社長は「抗議や申し入れは重く受け止めるが、最後まで見ていただければ私たちの意図が理解していただける」とし、当初の予定通り全9話を放送する意向を明らかにしていた。
第3話(29日)はスポンサー全8社がCMを見送り。AC広告、自社番組宣伝、スポットCMが流された。視聴率は前回から1・5ポイント増え、15・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だった。
「明日ママ」めぐり、日テレと協議会が話し合い
読売新聞 2014年1月30日
児童養護施設を舞台にした日本テレビ系ドラマ「明日、ママがいない」について、内容の見直しを求めている全国児童養護施設協議会と同局は30日、話し合いを行った。
同協議会は「われわれの主張について(同局側から)一定の理解はいただいた」との見解を示した。同局からは、今後の展開などについて説明があったという。
日本テレビ総合広報部は「意見を重く受け止め、文書で回答する」としている。
「明日ママ」公共CMに差し替えても契約金はテレビ局に
SANSPO.COM 2014年1月30日
児童養護施設の団体などから内容改善を求められ、番組を提供するスポンサー企業8社すべてがCMを見合わせた日本テレビ系「明日、ママがいない」(水曜後10・0)の第3話が29日、予定通り放送された。同局はACジャパン(旧公共広告機構)の公共CM10本を中心に差し替えて対応した。
「明日ママ」は番組スポンサー企業8社提供で、各社とも1月から3月までの水曜午後10時枠で契約している。その契約金総額は一体、どれくらいになるのか。
広告代理店関係者によると「東京キー局の同時間帯で、あくまで一般論ですが」と前置きした上で「1社あたりの契約金は毎月3000万円以上になるのでは」と指摘。「8社だと毎月の総額は2億5000万円から3億円ぐらい。3カ月だと、その3倍ですから7億5000万円から9億円ぐらいにはなる」と推測する。
スポンサーが今回のようにCMを見合わせ公共CMに差し替えても、放送が続く限り契約金は当初の予定通りテレビ局に支払われる。
「明日、ママがいない」第3話の視聴率は15・0%と微増
産経新聞 2014年1月30日
29日午後10時から放送された日本テレビの連続ドラマ「明日、ママがいない」第3話の視聴率は、関東地区で15・0%だったことがビデオリサーチ社の調べで分かった。
第1話は14・0%、第2話は13・5%。
同ドラマでは、児童養護施設の職員が児童に暴言を吐くなどの内容に、関係団体が相次いで抗議。施設で暮らす児童の自傷行為や、学校でからかわれた-などの報告が全国児童養護施設協議会に寄せられている。
慈恵病院、「明日、ママがいない」への見解をサイトで公開
全国児童養護施設協議会も日本テレビに改めて番組改善を要請。
ねとらぼ 2014年01月29日
熊本の慈恵病院は1月29日、公式サイトに「現在放送中の『明日、ママがいない』放送に当たりまして」と題する見解を公開した。
同病院は、日本テレビ系ドラマ「明日、ママがいない」に対して、その内容が「児童養護施設で生活する敏感な子どもたちに与える影響が大きいと予想される」と放送以前から問題視。昨年12月から内容変更を申し入れており、第1回が放送されるにあたり放送中止を求めていた。
サイトでは「当院のお願いが一種の論争を引き起こす形となったにも関わらず、皆様に十分な情報が伝わりにくくなっていることに対し、深くお詫び申し上げます」と謝罪するとともに、9項目について見解を述べている。
項目では「第1回放送分の問題点」に言及。「フィクションだから、いいのでは?」「売名行為では?」といった疑問や意見について答えている。
見解の公開については、誤解を招く状況が生じており、改めて理解を求めるためであり、「一般家庭のお子さんだけではなく、児童養護施設へ入所する前に家庭で虐待を受けたお子さんの、傷ついた心のケア」の問題であり、「虐待を受けた中にはトラウマ(心的外傷)の影響から脱却できないケースがあります。友達が冗談で投げかけた『ポスト』『ロッカー』『ドンキ』などの言葉も、虐待を受けた子どもの心には刃物のように突き刺さり、フラッシュバックの引き金になりかねません」と説明している。
また、全国児童養護施設協議会からも「施設の子どもたちを、これ以上傷つけないでください」とする改善要求が公開されている。それによると、第2回の放送においても「子どもを動物扱いしたり、恐怖心で子どもを支配する表現が多くみられる」と改善が見られなかったため、実態を調査するために都道府県の本会役員に対しアンケートを実施。その結果、「子どもが情緒不安定となり自傷行為に及ぶ事例や、施設の子どもがクラスメイトに心ない言葉をかけられる事例等が報告」されたことを明らかにしている。
その上で、日本テレビに対して改めて「施設の子どもたちをこれ以上傷つけることのないよう、子どもの人権に配慮した番組内容とするように要請」するとともに文書による回答を求めた。