BPO「明日、ママ―」審議せず 肯定的な意見も

スポーツ報知 2014年3月17日

放送倫理・番組向上機構(BPO)の「放送と青少年に関する委員会」は16日、児童養護施設を舞台にした日本テレビ系のドラマ「明日、ママがいない」を審議対象としないことを決めた。
BPOによると、委員から「関係団体への配慮は丁寧にしなければいけない」という意見が出た一方、「デリケートな問題を扱いにくくなるのは問題」との指摘もあり、総合的に判断し審議しないことを決めた。視聴者からは「番組が問題を明るみに出した面もある」と肯定的な意見もあったという。
青少年委員会は委員の意見をまとめ、委員長コメントとして近く公表する。これとは別に、慈恵病院(熊本市)が審理を求めた申立書を受理するか、放送人権委員会が検討している。「明日―」は12日に最終回が放送された。

「21世紀で一番泣けるドラマ」は言いすぎ!? 『明日ママ』最終回後も物議続く

日刊サイゾー2014年3月13日

“ポスト”などのあだ名や、子どもをペット扱いするような描写に問題があるとして、団体などから抗議を受けた芦田愛菜主演ドラマ『明日、ママがいない』(日本テレビ系)の最終回が12日に放送され、平均視聴率12.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録したことが分かった。
初回平均視聴率14.0%でスタートした同作だが、第3話で15.0%まで上昇。騒動をきっかけに注目を浴びたかと思われたが、第5話以降は11%台が続き、最終回でわずかに上昇。全話平均視聴率は12.9%となり、民放1月クールでは、現在のところ『S -最後の警官-』(TBS系)に続き、2位となっている。
第2話以降、全スポンサーがCMを見送っている同作だが、最終回でもCMや提供表示はないまま。また、番組中に騒動に関するコメントなどもなかった。

<以下、あらすじのネタばれあり>
最終回では、養子縁組が決まったドンキ(鈴木梨央)とボンビ(渡邉このみ)、実父(別所哲也)と暮らすことになったピア美(桜田ひより)が、次々と児童養護施設を後に。残されたポスト(芦田愛菜)も、瞳(安達祐実)の亡くなった娘・愛として生きるため、縁組の契約を結ぼうとするが、施設長(三上博史)が突然、「その子は、あんたの子どもではない!」と瞳に現実を突き付け、破談。結局、ポストは施設長に引き取られることに。
ラストシーンでは、手をつなぎ遊園地を訪れた施設長とポストが、プリクラを撮影。プリクラには「パパ キララ」と書かれており、“ポスト”の本名が明らかになる、という終わり方であった。
最終回でも、“ポスト”などのあだ名は引き続き使われていた同作。放送前から「21世紀で一番泣けるドラマ」をうたっていたが、視聴者の反応をネット上でうかがうと、「泣いたのは8話目だけだった」「感動したけど、“21世紀で一番泣けるドラマ”は言いすぎ」「抗議がなければ、もっと泣けるドラマになってたのかな?」という声が目立った。
また、初めから予定されていた全9話を完走したことについて、「最後まで見届けることができてよかった」「打ち切りになるのでは、とハラハラした」と、胸をなで下ろす視聴者も目立つ。
一方で、問題となった原因について、あらためて分析する視聴者も多く、「題材のハードルの高さに対し、演出が力量不足だった」「とにかく、抗議後の日テレの対応が悪かった」「野島伸司的なヒットドラマの狙い方は、時代に合わない」など、さまざまな意見が飛び交っている。
「ここまで問題が大きくなったのは、事前取材の不足のほか、野島ドラマ的なヒットのメソッドが、時代に合わなかったことが原因。野島ドラマといえば、工場で奴隷のように扱われる知的障害者を描いた『聖者の行進』や、近親相姦や同性愛を描いた『高校教師』、主人公が教師や同級生からイジメにあった後、死亡してしまう『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』(すべてTBS系)など過激なものが多いが、当時は物議を醸しながらも高い支持を得ており、TBSが『ドラマのTBS』と呼ばれる一端を担っていた。しかし、これらのドラマが今の時代に放送された場合、似たような騒動に発展した可能性は十分考えられる。日テレの福井雄太プロデューサーは、野島氏に心酔していることで知られているが、野島臭の強い『明日、ママがいない』の演出は、“時代に合わなかった”といえるかもしれない」(テレビ関係者)
最終回が終わっても、さまざまな物議を醸している同作。赤ちゃんポストを設置している慈恵病院は1月、放送倫理・番組向上機構(BPO)に審議を求める申し立てをしているが、BPOはどのような結論を下すのだろうか?

「良かった、泣いた」「子供の描き方見事」 全9話終了「明日ママ」にネットで強い支持

J-CASTニュース2014年3月13日

日本テレビ系連続ドラマ「明日、ママがいない」が、2014年3月12日放送の第9話をもって終了した。最終話の視聴率は12.8%、全話平均視聴率も12.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、まずまずの数字だった。
関係団体から「子供が傷つく」などとして抗議を受け、謝罪や内容の見直しを求められたり、全スポンサーがCM放映を見合わせたりと、かなり物議を醸したドラマだったが、そのぶん熱狂的な支持者も獲得した。放送終了後、ネット上には熱烈な感想の書き込みが相次いでいる。
「子供を壊すくらいなら大人が壊れろ!」

最終話では、ボンビ(渡邉このみさん)が「ジョリピ」と呼んで憧れていた裕福な家に引き取られることが決まり、児童養護施設「コガモの家」に残ったのは、ロッカー(三浦翔平さん)、オツボネ(大後寿々花さん)、そしてポスト(芦田愛菜さん)の3人となった。
ポストは、娘の愛を踏切の事故で亡くした担任教師の朝倉亮(吉沢悠さん)の家に通っている。心を病んでしまった妻の瞳(安達祐実さん)がポストを娘と思い込み、それ以来、朝倉家で「愛」として振る舞っていた。
ポストと朝倉家の養子縁組の話が進む中、自分をなくしてでも「愛」になろうとするポストをみんな心配し、施設長の魔王(三上博史さん)に縁組をやめさせるよう訴えるのだが、魔王は「あいつが決めたんだ」の一点張りだった。
とうとう契約を結ぶという段階で、朝倉家で「愛」として振る舞うポストを見た魔王が、「お嬢さんの遺影はどちらに」と切り出す。契約書をくしゃくしゃに丸め、「この契約はやめだ!帰るぞ!」と怒鳴った。
驚く亮と瞳に対し、魔王はこう語りかけた。
「その子はあんたの子供ではない。いいか、よく聞け。子供を壊すくらいなら大人が壊れろ!その子はあんたの子供じゃない!気持ちはわかる。俺も自分の息子を死なせてしまった。妻は苦しみ、それを癒すのに長い長い時がかかった。ゆっくりでいい。ゆっくりでいいんだ。やがて時が…この子は、私の施設にいる子供です。親の顔を知らない、もしかしたらそのことがあなたの中で亡くなったお嬢さんと不思議なことに重ねやすくしてしまったのかもしれない。でも違和感はある。当然です。それはやはり無理があるからです。あなたはそのことに気付いている。時々現実に戻るんじゃありませんか。この子はあなたの顔色ばかり伺っていた。片時も目を離さず。それは、この子自身がそれを感じて怯えているからです。この子もあなたを求めた。あなたを本当のママのように心から求めた。愛というあなたのお嬢さんそのものになりきろうと。よく見てください。もう一度、よく見て。この子はあなたの娘ですか」
瞳は泣きながら「違う…違います。ごめんなさい…」と言い、結局養子縁組の話はなくなってしまった。
「手放された子供、手放した親、どうしたらいいのか…みんなで考えるんだ」
朝倉家に引き取られるつもりだったポストは、帰り道に「何で邪魔したんだよ!」と魔王に詰め寄った。すると、魔王が「うるさい!いいか。一度しか言わないから、よく聞け。…寂しい。お前がいなくなると、俺が寂しいんだ。お前は、愛という名前じゃない。お前は、俺の娘だ」と言ってポストを抱きしめ、ポストも泣きながら魔王にしがみついた。
終盤で、ポストと魔王が水族館で遊ぶシーンをバックに、2人が掛け合うナレーションが流れた。

「手放された子供は辛いよね」
「手放した親も、後悔して生きなくちゃならない」
「どうしたらいいのかな」
「それを考える。ずっと考える」
「私も考える」
「みんなで考えるんだ」
「ふっ、かっこいい」
「…(舌打ち)」

最後には2人が水族館で撮ったプリクラが映った。そのプリクラには、魔王の上に「パパ」、そしてポストの上に本名の「キララ」と落書きされていた――という話だった。
大後寿々花「撮り直ししてません。このドラマが大好きです」
放送終了後、ツイッターでは「いいドラマ!」「すごい良かった…泣いた」「批判してた人たちに見てほしい」など、絶賛の声が相次いで書き込まれた。
2ちゃんねる・テレビドラマ板の「明日ママ」感想スレッドや、Yahoo!テレビの「みんなの感想」には、以下の感想が寄せられている。
「賛否両論あるようだけど、私はすごく良かった!!連日のように悲しい子供虐待のニュースが流れる中、子供は親を選べない…という大前提を否定して子供達がたくましく幸せになったファンタジー」
「いくら批判されようが放送を続けた意図は十分に理解できました。決して表面的ではなく、偽善ではなく、子供たちの心の葛藤を見事に描いていたと思います」
「何だかんだで全体通して感動できるドラマだった 演技がみんな上手いからよかった 子役も勿論だけど、魔王は三上博史以外考えられないと感じるほどハマり役だったと思う 安達祐実のとり憑かれたような演技も上手かった」
初回のセンセーショナルな描写で批判も浴びたドラマだったが、ネットユーザーからは脚本に隠されたメッセージや、キャストの演技力などが支持されたようだ。
オツボネを演じた大後さんは、放送終了後にこんなブログを更新している。
「ドラマが始まってから、現場の私達に見えないところで本当に色々なことがありました。毎日のようにデフォルメされた情報が飛び交い、作品を愛してくださっている方々にたくさんご心配をお掛けしてしまいました もちろん撮り直しもしていません。ブレないメッセージ!スタッフの方々の熱くて強い信念を感じました。支えてくださった皆様には、この作品を愛し、この作品のメッセージを感じ、最後まで観て頂いたこと、本当に感謝しています。私はこのドラマが大好きです」

【エンタがビタミン♪】『明日、ママがいない』最終回に「感動した」。続編を望む声も。

TechinsightJapan 2014年03月13日

放送開始直後から、「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」を設置する慈恵病院などから放送中止の要請を受けたドラマ『明日、ママがいない』。スポンサーも全社CMの放送を見合わせるなど異例の事態が続く中、12日に最終回を迎えたが、ここにきて視聴者から「感動した」とのコメントが殺到している。
養護施設や赤ちゃんポストなど、難しい課題を取りあげた内容に、放送中止や批判的な意見が多数出ていたドラマ『明日、ママがいない』(日本テレビ系)。最終回終了後に、肯定的意見が多数寄せられている。
最終回では、コガモの家に預けられていた子供たちがそれぞれ自分の選択により幸せをつかんでいく。ポスト(芦田愛菜)も子供を事故で亡くした朝倉夫妻の子供になって幸せをつかもうとしていた。佐々木(三上博史)もそれがポストが選んだ幸せなのだと縁組を進めようとしていた。しかし、佐々木は朝倉の妻・瞳(安達祐実)に「その子はあんたの子供ではない」と話す。ポストは朝倉夫妻の亡くなった娘・愛になりきろうとしていたのだ。結局、朝倉夫妻との縁組は白紙に。ポストは自分の幸せを邪魔した佐々木に「なんで邪魔したんだよ」と怒鳴りつけた。すると佐々木は「寂しい。お前がいなくなると、俺が寂しいんだ」「お前は『愛』という名前じゃない。お前は俺の娘だ」と今まで胸の奥にしまっていた思いをぶつける。最後のシーンでは、本当の親子のように2人で遊園地に遊びに行きプリクラを撮る。そのプリクラには「パパ」と「キララ」(ポストの名前)が書かれていた。
放送終了後には、「今期、最高の良いドラマでした」「感動しました」「深く考えさせられました」といったコメントが多数寄せられている。さらに、「終了してしまって寂しいです」「続編を希望します」といった意見もあった。中には批判的な声もあったが、大半は肯定的なものであった。
批判を受けたからだろうか、後半はドラマに巻き感があり、最後は物足りなさを感じた視聴者もいたようだ。「変更なしバージョン」をDVDでもいいから見たいという意見も出ており、続編を期待する声は多い。
(TechinsightJapan編集部 瑛里)

「明日ママ」脚本家 視聴者に感謝「厳しいご意見も温かいご意見も」

スポニチ 2014年3月13日

12日に最終回を迎えた日本テレビの連続ドラマ「明日、ママがいない」(水曜後10・00)の脚本家・松田沙也さんが13日、1月16日以来56日ぶりに自身のツイッターを更新。視聴者に感謝した。
物語の舞台になった児童養護施設の描写などをめぐり、賛否両論を巻き起こした。全国児童養護施設協議会がドラマの内容改善を求めるなど、社会問題にもなった。
「『明日、ママがいない』最終話の放送が終わりました。厳しいご意見も温かいご意見もたくさん頂いた作品、ひとつひとつお返事はできませんが、すべて読んでいます!ご視聴ありがとうございました」
松田さんは放送開始直後の1月16日に「このフィクションを通して、まずは子ども達に興味を持ってもらうこと、そして彼女達が問題に立ち向かう姿を見た同年代の子どもたちにも少しでもプラスの感情を抱いてもらえればと思います。伝えたいことはドラマをご覧頂ければ、と」などとツイートしていた。
抗議もあったが、第6話(2月19日)で「一度心に受け止めるクッションを持ちなさい」などと施設長(三上博史)が子どもたちを説く長台詞はインターネット上などで絶賛の声が多く集まった。
最終回でも、ポスト(芦田愛菜)と施設長に「手放された子どもはつらいよね」「手放した親も後悔していきなくちゃならない」「どうしたらいいのかな?」「それを考える。ずっーと考える」「私も考える」「みんなで考えるんだ」と語らせ、メッセージを発信した。