「明日、ママが―」中止すべき55%
<ニッカン・コム アンケート> 2014年1月18日
芦田愛菜(9)主演で15日にスタートした日本テレビ系ドラマ「明日、ママがいない」(水曜午後10時)に、賛否両論の声が噴出している。赤ちゃんポストを運営する熊本県・慈恵病院が、預けられた子供が「ポスト」と呼ばれるなどの表現を「誤解や偏見を招く」と問題視し、番組中止を求めたことが判明。一方で「考えさせられることが多い」と放送継続を望む声もある。そこで17日、日刊スポーツコムで緊急アンケートを実施。2時間のアンケートに1956件もの声が寄せられた。
わずか2時間のアンケートで1956件。世の関心は高かったが、15日の第1話を視聴したか否かで、見解の違いみられた。
<アンケート結果>
<1>見ていないが、子供が傷つく恐れがある以上、内容を変更するか、放送を中止すべき=36・6%
<2>見ていないが、フィクションに文句を言っても仕方ない。そのまま放送を続けるべき=11・8%
<3>見た上で、表現が過激と感じた。内容を変更するか、放送を中止すべき=19・2%
<4>見た上で、表現は過激だがそのまま放送を続けるべき=14・5%
<5>見た上で、フィクションに文句を言っても仕方ない。そのまま放送を続けるべき=15・2%
<6>何とも言えない=2・7%
(アンケート時間=17日午後4時~6時)
同病院が「放送中止」を日本テレビに求めたことを知りながらも、第1話を見ていない人については、「子供の傷つく恐れがある以上、内容を変更するか、放送を中止すべき」という声が最多の36・6%。「フィクションだから放送を続けるべき」という声は11・8%にとどまった。
一方、第1話を見た人で、「表現は過激だが、継続すべき」は全体の14・5%。「フィクションだから文句を言っても仕方ない。継続すべき」は15・2%だった。一方で番組を見た上で放送を中止すべきという声は19・2%。番組を見た人だけで比較すると985件中、約6割の582件が継続を支持していた。
見ていない人、見た人にかかわらず、「中止すべき」は全体で55・8%、継続を望むは41・5%。自由意見では熊本の40代女性が「フィクションでも、特定の人が嫌な気分になるものを放送しなくていい」と意見した一方で、児童施設で働く福岡の50代女性が「近からず遠い内容ではないと思います。親に見てほしい」との意見を寄せた。
同作は児童養護施設を舞台に描かれ、慈恵病院が、16日に会見を行い、預けられた子供がポストと呼ばれる表現を「精神的な虐待、人権侵害にあたる」と指摘。養護施設の描き方も「職員が子供に暴言を吐くなど、現実とかけ離れたシーンが多すぎ、誤解や偏見を与える」と批判した。
現実に施設長が子どもたちに「おまえらはペットショップの犬と同じだ」と罵倒するシーンもあり、番組の中止や制作の経緯の説明を文書で求めた。日本テレビ側は現段階で、内容に変えずに放送を継続する姿勢を示している。
『明日、ママがいない』騒動で、施設出身者ら「考える機会ができて良い事」
おたくま経済新聞 2014年01月18日
このドラマは児童養護施設を舞台に子供達の姿を描いたもの。まだ1話しか放送されていませんが、“赤ちゃんポスト”に預けられた子供が「ポスト」、“コインロッカーベイビー”の子供が「ロッカー」という名で呼ばれてたり、施設職員が体罰を与えるシーンがあるなどしたため、実際の「赤ちゃんポスト」を運営する熊本の慈恵病院や全国児童養護施設協議会が、日本テレビに対して放送中止などを求めています。
また、ネット上でも「子供に対する配慮が甘すぎる」「イジメになる」といった批判的意見も多く、この問題はまだ続く見込み。
ただ一方で、児童養護施設出身者からは「賛否両論あるようだがドラマとしてはよくできている」「子供の視点でドラマにしてくれて子供にとってはめっちゃ感謝してる」「普段みんなが考えない事を考える機会ができて良い事」といった受け止める意見もあがっておりまさに賛否両論。
今後このドラマがどう展開していくかはまだ分かりませんが、こうして児童養護施設の存在に大きく注目が集まるというのは、悪い事件が起こる以外あまりありません。
先に紹介した施設出身者の方の言葉にもあるよう、もしかするとこのドラマは児童養護施設について社会全体で考える良い機会なのかもしれないですね。
togetter/「明日、ママがいない」施設出身者の方々の反応
芦田愛菜ドラマ「放送中止要請」の波紋
東スポWeb 2014年01月18日
天才子役・芦田愛菜(9)主演で15日にスタートしたばかりの日本テレビ系連ドラ「明日、ママがいない」が、いきなり激震に見舞われた。児童養護施設が舞台の同ドラマに対し、熊本市の慈恵病院などが会見を開いて「養護施設の子供や職員への誤解偏見を与える。人権侵害だ」と放送中止を申し入れたのだ。これに対して日テレは、対応に追われながらも「放送継続」の姿勢を示したが、事態は深刻。前代未聞の放送中止に追い込まれる可能性も出てきた。
親が育てられない子供を匿名で受け入れる通称「赤ちゃんポスト」。今回のドラマは様々な理由で親と離れ離れになり、児童養護施設で暮らす“母なき子”たちの物語だ。15日放送の初回視聴率は14・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。好スタートを切ったかに見えたが…。
16日、日本で唯一、赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」を設置する慈恵病院は同ドラマに対し「養護施設の子供や職員への誤解偏見を与える。人権侵害だ」と表明。記者会見した産婦人科部長の蓮田健氏は、同ドラマで施設の職員が子供たちを殴り「お前たちはペットだ!」と暴言を吐くシーンがあったことなどを挙げ「施設の現状を知る視聴者は少ない。フィクションといっても誤解されかねない」と述べた。
芦田演じる主人公の少女は、赤ちゃんポストに預けられていたという設定で「ポスト」というあだ名が付けられていたが、これについても蓮田太二院長は「同じ立場の子供が聞いたらどれだけ傷つくか」と厳しく批判。日テレに放送中止を求めるとともに、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会への審議申し入れも検討中だ。
放送開始早々、とんでもない事態となったが、日本テレビ総合広報部は「ドラマは子供たちの心根の純粋さや強さ、たくましさを全面に表し、子供たちの視点から『愛情とは何か』を描くという趣旨のもと、子供たちを愛する方々の思いも真摯に描いていきたい」とコメント。2話以降も予定通り放送するとし「ぜひ最後までご覧いただきたいと思います」と結んだ。
とはいえ、大慌てだったのは、日テレでもマスコミ対応に追われた広報部とコンプライアンス関連の部署。ドラマ制作関係者の中には「いい宣伝になったのでは?」と話している者までいたというから、事実なら批判にさらされそうな話だ。
確かにこれまで似たようなケースとして、2005年放送の天海祐希(46)主演の連ドラ「女王の教室」もその過激な内容をめぐり、スポンサー各社に視聴者から抗議が殺到。提供クレジットの表示を自粛するなど、大きな話題となったが、結果的にそれが“いい宣伝”となり、視聴率は騒動後10%以上も上昇したことがあった。
だが、今回はそうはいきそうもない。慈恵病院だけでなく、全国約600の施設で作る全国児童養護施設協議会も同様の抗議を日テレにする方針。同協議会は「現在、役員の間で見解をまとめており、近日中に皆さんにご報告します」と語っている。
別の民放関係者は「今後、共鳴するかのように全国の児童施設から同様の意見が寄せられることは間違いない。『女王の教室』の時と同じように考えていたら大変なことになりますよ。すでに番組スポンサーの中には、今後の展開を予期し、提供中止を検討している社もあるようです」。
今回ドラマを制作しているのは日テレの子会社である「AXON」。同社は過去にも東海テレビ「幸せの時間」(フジテレビ系で放送)を制作し、「あまりにも性描写が露骨すぎる」とBPOから勧告を受けた過去がある。「日テレの大久保社長は読売新聞社出身でことさらコンプライアンスに厳しい人物だけに、問題が大きくなっていけば局プロデューサーの処分やAXONの担当者も更迭されることになるだろう。制作スタッフはびびりまくっていますよ」(事情通)
また、別のテレビ関係者も「フィクションといっても『赤ちゃんポスト』を題材として扱う時点で、慈恵病院に配慮すべき。にもかかわらず、脚本家やスタッフが熱心に同病院を訪れたという報告はない。最大の原因は取材不足。セリフやあだ名への配慮のなさにつながっているのでは」と語る。放送中止に追い込まれ「あしだ(芦田)、マナ(愛菜)がいない」という事態になれば、シャレでは済まない。
客観性のある良質の意見
日テレのドラマ「明日、ママがいない」への抗議問題。施設の子どもに対する「想像力の欠如」と「加害性」(水島宏明)
日テレ抗議ドラマ 脚本家の思い「伝えたいことは作品をご覧頂ければ」
スポニチアネックス 1月17日
舞台となった児童養護施設の描写などをめぐり、15日のスタート直後から賛否両論を巻き起こしていた日本テレビの連続ドラマ「明日、ママがいない」(水曜後10・00)の脚本家・松田沙也さんが自身のツイッターで心境をつづっている。
フォロワーから「公式(サイト)の掲示板やツイッターで、施設職員から強い違和感も書き込まれています。児童養護施設で暮らす3万人の子どもたちの受け止めも心配です。グループホームに何度も足を運び、職員の話を丁寧に聞いた上での脚本ですよね?」と質問され、松田さんは「はい、ご意見は頂戴しております。このフィクションを通して、まずは子ども達に興味を持ってもらうこと、そして彼女達が問題に立ち向かう姿を見た同年代の子どもたちにも少しでもプラスの感情を抱いてもらえればと思います」と返答。
別のフォロワーからも「現場に足を運び、子ども達や職員から話を聞く等、丁寧に取材した上での脚本でしょうか?このドラマで最も伝えたいことは何でしょうか?」と問われ「このアカウントで私から詳細をお伝えすることはできないので、日本テレビさんまでお問い合わせ願います。伝えたいことはドラマをご覧頂ければ、と。よろしくお願いします」と答えた。
同ドラマをめぐっては16日、親が養うのが難しい子どもを匿名で受け入れる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を設置する熊本市の慈恵病院が放送中止の申し入れを表明する事態に。劇中「赤ちゃんポスト」に預けられた子に「ポスト」というあだ名が付けられたことに「子どもを傷つけ、精神的な虐待、人権侵害になる」と批判した。
これに対し、同局は「ドラマは子どもたちの心根の純粋さや強さ、たくましさを全面に表し、子どもたちの視点から『愛情とは何か』を描くという趣旨のもと、子どもたちを愛する方々の思いも真摯に描いていきたい。ぜひ最後までご覧いただきたいと思います」と第2回以降も予定通り放送を続ける意向を示した。
松田さんは同病院の抗議についてはコメントしていない。